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2012年10月の記事

2012/10/26

最強のふたり

やっと観てきました。

「最強のふたり」公式サイト

この作品はもう、言葉は要らないというか…
オマール・シーの笑顔に尽きるのではないでしょうか。
きっと、誰もが彼を大好きになってしまうのではないかな。

どうしてこんな笑顔ができるのだろう。
それに対するフランソワ・クリュゼの表情もとても良くて。
劇場が笑いにつつまれる瞬間もたくさんあり
胸が一杯になる作品でした。

予告よりも、ずっとずっといい。
気になっている方は、ぜひ(^^)
また、いつか観なおしたい一本です。


今日は初めての八丁座。
いつものサロンシネマの系列ですが、こちらは指定席。
話題作だけあり、10分前に行ったら
もう前から1-2列目しか空いていませんでした。
活気ある劇場は好きです。
隣の人がずっとメールを打ってたのを除けば…(-_-)

八丁座も、席は広くてふかふかで座り心地が最高でした。
もうシネコンには戻れないかもしれない…

引っ越してくる前は、近所の映画館に
なかなか観たい映画がかからなかったのですが
今は気になる作品ばかり。
さすが、こだわりの映画館だなぁと思います。

もちろんDVDという選択肢もあるのですが、
映画館という空間がたまらなく好きなんですよね。
それほど観たいと思う作品がなくても
「映画館いきたい!」となってしまうことが多々あるので
良い作品がそろっているのは本当にうれしい。

偶然にもレディースデイだったので
「テイク・ディス・ワルツ」をハシゴしようかなと思ったのですが
余韻を残しておきたくて、お楽しみはまた後日に^^


お気に入りのブーツのかかとを張り替え、
綺麗に磨き上げてもらったり
新しい喫茶店に入ってみたり、リフレッシュの一日でした。

今日はもう、仕事せずに
本でも読みながら寝ようかなと思います(•‿•)

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2012/10/25

それでも人生にイエスと言う

仕上げは明日にしよう、と訳文を寝かせる間に一冊。
V・E・フランクル「それでも人生にイエスと言う」を読みました。
「夜と霧」の著者です。
読書の秋。内省の秋。

著者がナチスの強制収容所から解放された翌年に行った
講演をまとめた本です。
収容所での体験に加え、精神科医としての経験も多く語られ
少々難解ですが説得力がありました。

一度では理解し切れていないと思います。
それでも、心に残る言葉は数多くあり
折にふれて読み返したいと思いました。

生きる意味とは?
誰でも考えたことがあるのではないでしょうか。
印象的な部分を少しメモしておきます。
(原文通りではありません)

----------------------
人生に意味を問うてはいけない。
人生とは問われるものであり、
問われたときにどう応答(行動)するかが
その人にとっての生きる意味である。

私たちは、悲観主義にもとづいてしか
行動を起こすことはできない。
楽観主義でなだめすかすよりも、
悲観にもとづいてなお何かしようと手をのばすことに意味がある。
つまり苦悩には意味がある。

しあわせは、目標ではなく結果にすぎない。

死の存在が人生に意味を与えている。
もし人間が永遠の命を持っていたら
何もかもを後回しにしてしまうだろう。
----------------------

収容所での体験にもとづく、
「苦悩できないという苦悩は最大の絶望」という一節は
真に迫るものがありました。
カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」で私が感じた
深い哀しみはこれだったような気がします。
登場人物たちはその絶望に気づいていなかった。

そして、「人間の苦悩は比べられない」という一節。
本書を読めば、その壮絶な体験と自分を比べてしまうかもしれない。
でも、比べることには何の意味もないと思います。

苦悩はその人個人のものでしかない。
それは震災の時にも強く感じたことです。
強制収容所での苦悩も、ささいな失恋の苦悩も
学校でのいじめの苦悩も、本人にとってどれだけ大きいかは
本人にしか分からない。

そして、それをどう乗り越えるか、
心の持ち方の自由だけは平等に与えられている。

たとえば、囚人のためにこっそり
自腹で薬を購入していた収容所所長の話。
いっぽう、同じ囚人仲間を虐待していた囚人の話。
問題であり続けたのは、置かれた立場や状況ではなく
裸の人間そのものであると。


高校時代の古典のおじいちゃん先生を思い出しました。
とてもゆっくりした、優しい語り口で授業をするので
私はいつも心地よくうつらうつら…
「こぅら、眠り姫」と何度呼ばれたことか。

脱線しました。
そんなことはどうでもよいのですが、
先生が最初の授業で「人生って何だか知ってるか?」と
黒板に書いた図だけははっきりと覚えています。

「生→死」
矢印は黒板の端まで、長かった。
私たちは、死をめざして生きているんだよと。
衝撃を受けたあの頃は本当に若かったのだなと思います。
今はずっと身近に、静かに死を感じるようになりました。

フランクルが言う「意味のある死」が
少しだけ理解できた気がします。
今まで自分が考える意味のある死とは、
たとえば三浦綾子さんの「塩狩峠」のラストだった。

けれど、そんな分かりやすいものだけではなく
ひとりひとりの内面で為しうることなのだと。
苦悩と死、そして愛が、人生に意味を与えているのだと。

一瞬にして町が破壊されても、大勢の命が失われても
社会は普通にまわっていく。
私が今死んだとしても、本当に困るのはうちにいるウサギくらい。

それでも人生にイエスと言う。
言いたい。

そんなことを思ったほろ酔いの夜長でした。


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2012/10/21

朝焼け

あまり熟睡できず二度寝もしない毎日がつづいて
気づいたら朝型になっていました。
本日は6時起床。

年をとったということかな。
でも早起きは気持ちいい。

窓からきれいな朝焼けが見えました。
空気はひんやり。
秋の匂いと冬の気配。
東の家族や友達に少しだけ思いを馳せてみる(^^)

最近、またちょっと地震が増えてるみたい…
何かあったらいつでも来てね。

静かなうちに仕事を進めよう。
良い一日になりますように。

Asayake


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2012/10/17

リピート受注

たまには少し仕事の記録でも。

先日、特許英訳のトライアルに合格しました。
映像翻訳も含め和訳メインでやってきたので、
私にとってはちょっとしたチャレンジ。

でも、トライアルに合格しただけでは喜べないのですよね。
フリーになったころはそれだけで嬉しかったものですが
トライアルに合格しても仕事は来ない、なんてことは
日常茶飯事のようなので。
まだそういう経験はないのですが。

今回も、合格は嬉しかったものの
どうなるかな…と思っていました。
そんな中ですぐに初の打診。
短いものでしたが、初受注こそ本当のトライアル。
ドキドキしながら納品しました。

数日後、丁寧なフィードバックと共に翻訳を褒めていただき
新たな打診を2件いただきました。
英訳にはぜひフィールドを広げたいと思っていたので
久々に嬉しかったです。
既に他の仕事も入っていて
ちょっと厳しいスケジュールでしたがお受けしました。
ご縁を繋げていけたらいいな、と気を引き締め中。

このエージェントさんとは、
気持ち良くお付き合いできそうな予感がします。


字幕翻訳のほうでは、先日映画の本編を担当しました。
80分の作品で字幕が500枚弱という少なさ。
ラッキーでしたけど、逆のパターンも多々あります。
英語ではない言語の作品だったのでそれなりに苦労しましたが。
(こういう場合、英語のスクリプトや英語字幕を元に
日本語字幕をつけていきます)
もう一つ、英語以外の言語を
勉強したいと思った瞬間でもありました。


いろいろな考え方があると思いますが
一つの分野に固執せずいろいろなものにチャレンジするのも
決して悪くはないなと私は感じています。
いずれどこかに絞るにしても。

一生「翻訳」で食べていきたいと考えた場合、
やはり業界の動向を見極めることやリスクヘッジも大切です。
生かせる経験は生かした方が良いし、
すべての仕事に学びがあってどれもムダにはならない。
出版翻訳に携わる方々も、実務翻訳を兼ねている方は多いですし
様々なジャンルのビジネス文書を訳してしまう方々など
すごいなと思います。

これからも、興味のある分野には
可能な限りチャレンジしていきたいなと。
勉強に終わりはないですね…たまに気が遠くなりますが。
でも、だからこそ楽しいこの仕事。

インプットやリフレッシュのための
余裕の時間も大切にしたいです。
良い仕事をするためにも。
やっと、そういう時間を確保できるようになってきた気がします。

…と言いつつ、目先の仕事にしばらくは追われそうです。

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2012/10/16

それでも、愛してる

ジョディ・フォスター監督、出演。
メル・ギブソン主演。
うつになった夫を支える家族の話…んー。
「それでも、愛してる」公式サイト

期待しすぎていたのかもしれない。
個人的にはイマイチ響いてくるものがなかった。
現実はこういうものなのかもしれないけれど。

まず、邦題が内容と合っていない気がする。
宣伝コピーも。
愛する夫があんな状態になっているときに
放り出して一人にしておくことなんてできるんだろうか。

共感できる部分がほとんどなかった…
長男とガールフレンドのエピソードはよかったな。
ジョディは昔から大好きなのだけど、
どうも監督作とは相性が悪いみたい。

「恋は感情、愛は意志」
大学時代、そんな小生意気なことを
学内新聞に書いたのを思い出す。


サロンシネマでの予告編は気になる作品ばかり。
中でも、全身骨折した状態で生まれるという障害を負った
ジャズピアニストのドキュメンタリーに惹かれました。
またジャズピアノ習いたくなってしまいそう。
「情熱のピアニズム」公式サイト


Photo

御幸橋からのグラデーション

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2012/10/09

JATアンソロジーに寄稿しました

9月30日の「世界翻訳の日」を記念し、私も会員となっているJAT(Japan Association of Translators)からアンソロジーが発行されました。

Photo

「Translator Perspectives/翻訳者の目線」と題された冊子の中では、59名の翻訳者が様々な視点から翻訳について語っており、非常に個性豊かで興味深く読み進めています。知人の文章も多いのですが、「あの方はこんなことを考えていたのか…」などという発見も楽しいです。

発行後はブログへの転載もOKとのことだったので、拙文ながら自分のものを載せておきます。この仕事を始めて6年、まだまだ学ぶことばかりで仕事に対する考え方も日々変化しているように思いますが、2012年現在の記録として。

諸先輩方に交じって大口たたいており冷や汗ものですが、自分なりに頑張っていきたいなと心を新たにしました。

*************************************************

言葉を繋ぎ、人を繋ぐ


『バベル』という映画がある。国家間の摩擦をはじめとして、人間同士の間に往々にして立ちはだかる高い壁が描かれている。「言語を分かたれた人間たち」が右往左往し、時には誤解が生まれ途方に暮れる。壁を切り崩していくには、背景も含めて相手を理解した上で、心を伝える必要があるということがよく分かる。そのために言葉が果たす役割は非常に大きい。分かたれた言語の対象として、聴覚障害者が登場するのも興味深い。

字幕翻訳の仕事を始めて六年。小さな頃から外国映画を通して異国の文化に触れるのが大好きだった私にとっては、楽しい仕事だ。「映画字幕は翻訳ではない」と清水俊二氏も仰っていたとおり、字幕はいわゆる翻訳とは少し性質が異なる。厳しい字数制限があるため、会話の流れやストーリーのエッセンスを汲み取り、一つ一つの短いセリフに凝縮していく。書くのは文章ではない。そして映像が様々な要素を補完してくれる。

自分の文章力が落ちていると感じたのは東日本大震災の時だった。何かできることを、と思ってボランティア翻訳を引き受けたものの、自然な流れの文章を書くのにひどく苦労した。これで翻訳者といえるのかと自問自答した。様々な場面で、言葉が果たす役割の大きさを痛感した時期でもある。私にも、もっと実用的な専門分野があったら何か役に立てたかもしれない。こんな事態に対応できるだけの底力を身につけたいと思わされた出来事だった。

震災を機に、視野を広げて他分野にも挑戦し始めている。楽しいこと、やりたいことを仕事にしたいという思いから、求められること、必要とされることにも応えられるようになりたいという思いに変化しつつある。もっと自在に言葉を操れるように。相手を理解し、心や知識を伝え、様々な壁を取り払うような翻訳ができるようになりたい。それが時には危機を救い、文化を繋ぎ、果ては人を繋いでいくものなのだと感じている。

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2012/10/04

広島の川べりより

またずいぶんとサボってしまいましたが
8月末~9月頭まで、関東&福島に帰っていました。

関東ではたくさんの友人知人と、
復興支援酒場で楽しい時間を過ごし
福島ではマラソン大会に参加してきました。
ちゃんと完走しましたよ♪
沿道からは「がんばれー」だけじゃなく
「ありがとう~!」の声も飛び交う、温かいレースでした。

Photo

仕事の傍ら、ためてしまったメディカルの課題に挑んだり
新たなエージェントを開拓したり…(成功!)
はるばる関東から広島に遊びに来てくれた友人たちもいました(^^)
何だかんだであっという間に日々が過ぎていきます。

でも、一日一日を大切にしたい。
そんな気持ちで。

関東から帰ってきた日は、川べりで缶コーヒー。

Photo_2

何だか昔から知ってるような、一番落ち着く場所です。
ジョギングするのも川沿いだし、
秋晴れの空の下、ベンチで編み物しちゃったり。


引っ越しからもう5ヶ月が過ぎてるんですね…早いなぁ。
まだまだよそ者ですけど、広島、大好きです。
静かな時間が流れている感じ。

そういえば、平和祈念式典にも参列してきたのでした。
感じたことをブログに書こうかと思ったのだけど、
私が語ることではないなと思ってやめたのだった。

とりあえず、元気でやっています^^

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