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2012年7月の記事

2012/07/03

広島の散歩道 - 御幸橋

今日は朝から土砂降りの雨と雷で目が覚めました。
午後になってやっと雨が上がったので、
仕事を中断して、散歩がてら少し大きめの本屋さんへ。
途中に京橋川があり、御幸橋という橋を渡ります。

そこの石碑の前で、しばし足が止まりました。
短い文章の中に、長い長い歴史を感じます。

Japanese_2

「御幸橋は 明治18年(1885) 木橋として架けられた
昭和6年(1931) 近代的な橋に架け替えられ 
今日まで市の中心部と宇品地区を結ぶ交通の動脈として 
大きな役割を果たしてきた

日清戦争以来第二次世界大戦終了まで
多くの兵士らがこの橋を渡り
宇品港から戦地へ赴き異国の地に眠った

また 昭和20年(1945)8月6日
世界最初の原子爆弾が投下されたとき
この橋を渡って避難した市民も多い

広島の歴史を見守ってきたこの橋の2度目の架け替えが終った
新しい橋の完成と被爆45周年を迎えるにあたり
失われたものへの鎮魂と
平和 そして輝く明日への希望を込め
この碑をここに設置する

平成2年(1990)7月」


隣には英語版の石碑。

English_2

"The original wooden Miyuki Bridge was built in 1885. It was replaced by a modern bridge in 1931 and continued to serve as a major traffic artery connecting the center of the city with the Ujina district.

From the Sino-Japanese War until the end of World War II , many soldiers crossed this bridge as they went off to war from Ujina Port, many of them to die in foreign lands.

When the first atomic bomb in human history was dropped on the center of Hiroshima on August 6, 1945, many citizens fled across this bridge to take refuge.

This bridge has witnessed the history of Hiroshima for many years. The present bridge was rebuilt this year. The year 1990 marks the forty-fifth anniversary of the atomic bombing. In memory of the dead, and for eternal peace, and with the hope of a brilliant future, we have erected this monument.

July 1990"


御幸橋からの眺め。
お天気が悪くイマイチな写真ですが、
大きな川を眺めるといつも何となく落ち着きます。

Bridge_2

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2012/07/01

カウリスマキ監督特集-「浮き雲」

「ル・アーブルの靴みがき」の公開に合わせ、
カウリスマキ監督の特集が組まれていました。
その中の「浮き雲」を先日鑑賞。
1996年のフィンランド映画。

Poster

つつましく暮らす共稼ぎの夫婦が、
四年ローンで思い切ってSONYのテレビを買う。
ところが直後に夫が失業。
励ます妻に追い打ちをかけるように、こちらも失業。
さて、二人の職探しが始まる…。

次々に不幸が重なり続けるので
ちょっと事態が好転しても
「いやまだ油断できない」と身構えてしまう。
変な緊張感はありましたが、とても淡々とした作品。
それでいて不思議に退屈しませんでした。

来る日も来る日も職探しに追われる二人を見ていると
人間って何のために生きてるんだろう?
なんて一瞬思ってしまうのだけれど
すぐにそんな考えは吹き飛んでしまいました。

一生懸命な二人の姿が美しくて。
働くって、それだけで尊いことだなと思えてきます。
誰も彼もが好きなことをできるわけじゃないし
世の中にはいろんな仕事がある。
でも、小さなひとつひとつが尊いものなのだと。
別にみんなが偉い人を目指さなくていい。

生きること、それ自体が苦しくも素晴らしいことだなと
ぼんやり感じました。

何があっても無言で支え合う夫婦の姿は
少し異色でありながらも、強い信頼と絆を感じさせます。
何も語られないけれど、すべてを乗り越えられたのは
二人が寄り添っていたからじゃないかなと。

希望の見えるラスト。
肩を寄せ合って雲を見上げる二人の姿が胸に沁みます。


最近ちょっと元気がなかった友達に、
ぜひ観せたいな。
なんて思った作品でした。


笑いのセンスって、一番文化の違いが見えますね。
ロシアの作品を観たときも強く感じたけれど
今回も、独特のセンスが感じられて面白かったです。
「ん?笑っていい…とこだよね?」って感じで。


最後に私の仕事部屋からの浮き雲。
落ち込みそうになったときには、とりあえず空を (^-^)

Ukigumo

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