「ミッドナイト・イン・パリ」
ウディ・アレン監督が描く、パリが舞台のおとぎ話。
冒頭のショットだけで、どれだけ監督がパリに惚れ込んでいるかが
ひしひしと伝わってきて、一気に引き込まれました。
字幕は石田泰子さん。
夜中の0時にある場所に行くと、
古き良き時代にタイムスリップできる。
そんなおとぎ話。
主人公は、ウディ・アレンそのものなんだろうなーと。
理屈抜きで、ひたすら夢の世界にひたれる作品でした。
色彩がとても美しくて。
フィッツジェラルドやヘミングウェイ、
ダリやロートレック。
そんな芸術の花咲く時代を垣間見られるだけで
無条件に楽しい。
マリオン・コティヤールがとにかく魅力的。
「エディット・ピアフ/愛の讃歌」ですごい女優さんだなと思い
「インセプション」での演技も素晴らしかったけれど。
本作でまた、抗いがたい魅力を発揮していました。
どの時代の人物たちも「あの頃は良かった」と
過去を礼賛しているのが面白い。
結局、「今」が一番得がたい時なのよね、なんて思いつつ
時に懐古趣味に走るのもまた楽し、そんな気分で鑑賞。
パリに惚れ込んで
「一度住んでみたい!」と思う主人公にとっても共感。
でも婚約者には分かってもらえない。
ささいな感性の違いって、実は何より大きい。
何気なく街を歩き回るのが好きかとか。
雨のパリを楽しめるかとか。
そんな小さなすれ違い。
ラストシーン、好きです。
すっかり浸りきって帰り道は足取りも軽く、
脳内にはシャンソンが流れ、元安川がセーヌ川に思えました。
そんなの私だけかもしれませんが。
タイムスリップの車、迎えに来てくれないかなー。
今回行ったのはこちらの映画館。
サロンシネマ
引っ越してきて初めて、やっと行くことができました。
座り心地の良い、テーブル付きの広い贅沢なシート。
まさに古き良き映画館。
今、こんな映画館に通うことができるのを幸せに思いつつ
全盛のシネコンもいつか懐かしく振り返るときが来るのだろうなと
過去と未来に思いを馳せたひとときでした。
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