余韻の残るうちに続きを…
○2日目
1コマ目-英日翻訳ワークショップ:コミュニケーションのための翻訳-翻訳文の「ながれ」について考える
実は、これは1~2コマ通しの内容だったのですが、諸事情により1コマしか聞けませんでした。JATの会員は後に録画を見られるはずなので、そちらをチェックしたいと思っています。JAT翻訳コンテストの課題文を取り上げて細かく解説していくもので、笑いもたくさん交えた楽しい講義でした。課題文以外にも、例えば原稿にある「in fact」が訳されていないということで訳抜けだ、という騒動になったお話なども。「in fact」を必ずしも「実際に」と訳すわけではない、英語のリズムでは必要な単語でも日本語のリズムでは省いて良い場合もある、などという具体例が多く挙げられました。
2コマ目の諸事情はこちら。
3コマ目-Evernoteのローカライズに関わったらIJET-23広島にたどりついた
なんと、スピーカーの中村氏の本業は歯科医師。趣味で、惚れ込んだアプリの日本語化をボランティアでやっているうちに、SNSでEvernoteのCEOとつながり、さらにその通訳をしていた関根マイク氏と知り合うことでIJETに招かれる…というSNSの無限の可能性も感じられるお話でした。自分が惚れこんだアプリだから、どうにかして日本にもその良さを浸透させたい、その思いだけで大量のテキストと格闘する日々。伝えたい思いがある、という翻訳の原点を垣間見た気がしました。そして思うだけでなく実行に移していくことで、何かが生まれつながっていく。仕事の効率化、収入を増やすための手段、そんなものとは対極の内容がとても新鮮でした。「同じことをやり続けていても未来はない」という言葉がとても印象に残っています。
4コマ目-翻訳会社本音トーク:グローバル市場における翻訳の品質管理
こちらも4~5コマ通しのパネルセッションだったのですが、どうしても5コマ目に聞きたいものが他にあったので、前半しか聞いていません。前半のみの印象という前提でいえば、片方の会社は主に自社の宣伝に終始。私の周囲は「何なのこれ?」と次第にざわざわしてくるほど。もう一方の会社は、具体的な数字を出しつつ率直な話をしてくれていたという印象です。
何より印象に残ったのは「雑だけどスピードのある翻訳者が一番の稼ぎ頭」というお話。後の飲み会では「雑な翻訳って一体どんなの?」としばし議論のネタになるほど、印象深い一言でした。日々、良い翻訳とは何かを考えている身にとっては、「雑な翻訳」の定義が理解しがたい。クライアントからスピードを求められる→上手い翻訳者はだいぶ先までスケジュールが埋まっている→雑な翻訳者に頼まざるをえない、という事情は分からなくもないのですが。「みんなが時間をかけて良い翻訳をする翻訳者になってしまったら困ります」と、これまた率直でした。それはそれで清々しかったです。後半はだいぶ盛り上がったようなので、これも後で録画をチェックしたいと思います。
5コマ目-「説明するけぇ よぉ聞きんさい」
こちらもスピーカーの北臺氏の本業は数学者。iPad発売時のビデオに感銘を受け、これを日本にも伝えたいと非公式な吹替え版を作成したところ、あっという間にネットで大評判に。標準語と広島弁で作ったのに、広島弁だけがスポットライトを浴びたとか…ユニークですものね。プレイベントでお会いしたときも面白い方だなーと思っていましたが、プレゼンも終始笑いをとりつつ大盛り上がりでした。やはりEvernoteのお話と同じく、「これを伝えたい!」という強い思いから生まれたもの。話者が「everyday」と言っているところに「変わるでぇ」という言葉をあてて、映像と音がぴったりだ!と悦に入ったといいますが、これは吹替え翻訳ではリップシンクと呼ばれる一つの技術。それを学校で習うわけでもなく、自然と追求している。できるだけ面白さをそのまま伝えたい、という思いがあれば、自ずとたどりつくものなのだ…と感銘を受けました。他にも「New York Times」が出てきたときに、こんなもの広島県民は読まない、と思って「中国新聞」に変えたら大受けだったとか。愛のある翻訳ですよね。
笑いっぱなしのプレゼンの最後に「one more thing...」と。ここで笑いがおきたものの、続く新作に泣かされてしまいました。北臺氏がその場でJonathan IveによるSteve Jobsの追悼スピーチを生吹替えしたのです。その録音バージョンが既にUPされています。スピーチ自体が良かったのはもちろん、淡々と広島弁で吹き替える北臺氏の姿から心底愛情が伝わってきたのでした。思いは人を動かし、それは連鎖していく。そんなことを感じました。
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真面目ぶって色々書いてきましたが、
今回はとても思い出深い初参加のIJETだったので
記録しておきたいなと。
1日には前夜祭があり、
会場近くのバーで100人以上が集まりました。
なんと、引っ張り出されて初めてダンスを経験しました(笑)
浴衣姿の方も大勢いらして、とても華やかで目にも楽しかったです。
ここで知り合えたことで、
次の日に話しかけやすかったという面もありました。
2日の夜はディナークルーズ。こちらはなんと約200人。
お酒が入ると次第に緊張もとけてきて
楽しいお喋りと綺麗な夜の景色を楽しみました。
解散後は適当にグループに分かれて
お酒や珈琲、お好み焼き(!)など。
自由な雰囲気がとても良かった。まさにお祭り。
3日の夜も誘われるままに明け方まで飲んでしまいました。
ランチも前夜祭の前も、
思い思いに皆さん楽しまれていたと思います。
私も引っ越したばかりなので、
懐かしい関東の方々にお会いできて本当に嬉しいひとときでした。
別れ際、ちょっとうるっときてしまった…
(みんな優しすぎるんだもの!)
後半はちょっと酔っ払いつつ書いてしまいました。
きっと忘れられないイベントになると思います。
運営委員の方々には心からの拍手を!
JATは非営利団体です。
これだけのイベントをボランティアで作り上げるなんて
それこそ「思い」がなければできないのではないかと。
どうもありがとうございました。
最後に、ボロボロになったプログラム冊子の写真。
これ、本当に使いやすかったです。
裏表紙にプログラムの一覧があってすぐに確認できるし
メモのページも便利で活用させていただきました。
記念にとっておきます♪
書き切れないことがたくさんありますが、
とにかく今はお会いできた皆さんにありがとう!と言いたいです。
そしてまた、いつかどこかで再会できることを
楽しみにしています(^-^)
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