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2011/03/26

原発-命の犠牲を前提にした施設の存続

前回の記事は、あくまでもその時点での放射能レベルの話です。
長い目で見れば、このままで良いはずがありません。
日を追うごとに水・土壌の汚染は広がってきています。

けれど、国はまだ福島原発の廃炉を明言していません。
このまま落ち着かせて、何とか維持したいのでしょう。

石原都知事が、3月25日に福島で明言しました。
「私は今も原発推進論者である。」と。

この期に及んで何をバカな、と思います。
人間の手に負えないものであることが
誰の目にも明らかになったのに。

本当はチェルノブイリの時点で理解するべきだった。
人間は核燃料を処理する術を持たず、
石棺に閉じこめるしかなかったというのに。
その石棺ももうすぐ耐久年数を過ぎようとしている。


今、関東圏は停電や水の汚染で大騒ぎですが
たとえば「じゃ、これに署名協力お願いします」と
原発廃炉署名の紙を差し出すと多くの人が黙り込んでしまう。
面倒なことには巻き込まれたくない、と。
便利な生活だけは手放したくない、と。

所詮他人事だと思っていませんか?
今も福島にとどまらざるをえない人々、
とどまっても救援物資を届けてもらえない人々、
そして避難しようとしても差別されている人々のことを
どう考えていますか?

こんな事態を二度と起こさないためには、
不便になる生活を受け入れていこうという意志が必要です。
そう、原発のない生活です。

単に今回のような事故が怖いからだけではなく、
人の命を使い捨てにする歪んだ施設だからです。
「女川原発は無事だから、しっかり作ればイケるはず」
という意見は、その視点から却下です。


今回のことを機に、いろいろなことを知りました。
原子力発電所の中では、常に被曝しながら働いている人々がいる。
何の保障もなく、安い給料で。
危険な仕事だと知らされず、騙されて命を落とした人も大勢いる。


○1995年にイギリスで放映された番組、全編見られます。
「隠された被曝労働 ~日本の原発労働者~」 (25分)

○こちらは原発労働者について文字で解説。
「原発で働く人々」


いくら最先端の施設であろうと、生活が便利になろうと、
人の命を犠牲にするのが前提の施設なんておかしい。
青臭いと言われようが私はそう思います。
そして皆さんも本当は分かっていると思います。
連日、作業員の方々の被曝のニュースを見て何も感じませんか?


私がこんなところで何を言ったって、
何も変わらないことくらい百も承知です。
でも、一人でも多くの人が現実を知り
意識を変えていくことが今は大事なのではないかと思います。

一向に収束する気配を見せない福島原発の事故。
私たちが、これから長年向き合っていく問題となることは
間違いないでしょう。

目を背けないことが第一歩だと思います。
そしてこんな経験をした以上、長い時間がかかっても
原発を持たない国を目指すべきだと切に思います。


廃炉の署名運動を始めてくださった方がいらっしゃいます。
FAXかメールで受け付けているとのことなので、
ご協力いただける方はぜひお願いいたします。

福島原発の「廃炉」を求める有志の会

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東日本大震災」カテゴリの記事

コメント

飛行機の窓からと見る、夜の東京や大阪の夜景を
以前から非常に怖ろしく思っていました

ここまで電気を使って良いのだろうか
こんなに贅沢に使う電力はどこから来るのだろうか
いつか破滅するのではないだろうかと思っていました

なんでも、みんなが、好きなだけ使いたいと思えば
環境を守ることは難しいです

この事故は、私達への大きな警鐘ですね
みんなで考えなければと思います

投稿: あけみ | 2011/03/27 08:16

私も福島原発の廃炉には賛成で、すでに署名も済ませています。他に選択肢はないです。原発のない世界であることが理想だと思っていますが、それを早期に実現することは非常に困難だとも思います。先進的な考えを持ち、早くから国を挙げて対応しているドイツのような国でさえ、未だに実現できていない状況です。

原発をなくすつもりなら、事実をきちんと切り分けて考え、それぞれに対して対応を考えなければなりません。

私の友人に、普段は東京で配管関係の仕事をしていて、時々原発での作業もしている人がいます。清掃等ではなく、配管の交換など専門技能が必要な部分で、もちろん防護服を着ての作業です。給与面ではかなり分の良い仕事だと言っていましたが、現場での不備や原始的な作業体制など、怖い思いをすることもあるそうです。そして、「こうすれば安全に作業できるのに」という改善策を現場の人間としていくつもあげていました。

今現在の原発は、確かに作業員に危険を強いる環境です。ですが、作業員の危険性に関してだけ言えば、それは「原発だから危険」なのではなく、臨界事故の例を見ても分かるとおり、「安全管理に必要なコストをかけていないから危険」なのです。この二つは別のことで、未来を変えていきたいのなら、現実をきちんと見て、切り分けて考えなければなりません。輸入の穀物や果物を管理する港湾倉庫でも、コスト削減のために危険な環境で働いている労働者が大勢います。不妊・発癌・奇形等の障害が現に出ています。皆さんが知らないだけです。

汚染区域で働く一般の原発労働者は、電力会社の社員でなく、何世代もの下請けを経由して中間マージンをピンハネされた労働者です。安い給料で、危険を知らされずに働いています。でもこれも、「原発だからピンハネしている」わけではありません。先ほどの港湾労働者も同じで、「それが日本の社会構造だから」です。建設業でもコンピュータ屋でもピンハネ構造は同じです。

労働者の安全に限って言えば、電気代を2倍にすれば、輸入穀物・果物の値段を2倍にすれば、安全確保のコストはきちんと取れます。「汚染地区の労働者は電力会社の正規社員のみで、汚染地区での作業については時間単価は1万円以上とする」という法律を作れば、より安全な環境で作業が出来ます。正社員であれば、きちんとした知識を持って作業することも出来ます。

そうならないのは、私たち日本人が、物事の判断基準を「安さ」だけに置いているからです。価格が2倍でも3倍でも、安全なものなら喜んで買うという国民性なら、たとえ国際競争力が落ちても、弱者だけに危険を押しつける社会にはなりません。これは国民が等分に責めを負うべき事柄です。
原発の建設には国の承認が必要です。許認可は関係省庁ですが、それを管理すべき国会は、私たちが選んだ政治家によって運営されています。これも、国民が選び、放置してきた結果です。
だからこそ、不便でも安全な社会を受け入れる責任が、日本国民全員にあるのだと思います。ただ、その体制がきちんとできあがる前に国内の全原発を止めると、ライフラインの機能不全で死人と大量の失業者が出ます。その前に、日本の社会構造全体を変えなければなりません。

私のTVは15インチです。映画もドラマもそれで十分です。地デジに変える時も出来るだけ小さいものに買い換えるつもりです。馬鹿げた大型液晶テレビは、単位面積あたりは消費電力が少なくても、大きすぎて節電にはなりません。TVはほんの一例ですが、どこの家にでもある家電の作り方から変えなければなりません。不便な生活に耐えることと、屋内で熱中症になって死ぬことは別です。エアコンの使用を抑えるのなら、多くの住宅は建て替えが必要です。賃貸なら適応した住宅への引っ越しが必要です。それには時間と経費が必要です。家電の買い換えも家の建て替えや引っ越しも、全て個人負担です。そのためには、復興需要をテコにしてでも、まず経済を活性化させなければなりません。失業中では何も出来ませんから。

> 所詮他人事だと思っていませんか?
> 今も福島にとどまらざるをえない人々、
> とどまっても救援物資を届けてもらえない人々、
> そして避難しようとしても差別されている人々のことを
> どう考えていますか?

私は家族4人でどこかへ行ったことが、人生でただの一度もありません。そういう家庭環境でした。歩いて10分ほどの所に叔父と叔母が住んでいたので、子供の時はいつも遊びに行っていました。私を可愛そうに思ってか、いつも遊んでくれて、山や海にもたくさん連れて行ってくれました。私は5歳からナイフを使っていますが、最初の一本は、注文家具の職人だった、この叔父さんがくれた物です。叔父は50代後半から心臓を患っているので、医療機関とは縁が切れません。叔父夫婦は今、福島で暮らしています。二人の姪は、結婚して東京にいます。
この20年間、ずっとお米を送ってくれている福島の農家の方は、25日になってやっと安否確認が出来ました。幸いご家族は無事ですが、家屋も含めて被害が大きく、農業の再開は諦めているとのことでした。
どう考えているかと問われれば、関東に住む私が答えるのは難しいです。

『学んで思わざれば則ち罔し。思うて学ばざれば則ち殆し』という言葉があります。方向性を決めることと、そちらに進むための方法を確立することは、常に対でなければなりません。そして、「正しいこと」は自然に伝わっていったりはしません。「正しく伝える努力」をしてはじめて、一部が伝わっていくものです。

投稿: Yoshino | 2011/03/27 08:25

>あけみさん

日に日に状況は悪くなるばかりで
迷いつつもつい、ここに思いを吐き出してしまいました。
遅すぎるにしても、皆が向き合わねばならない現実ですね…

うちの両親はいわきに戻りました。
自主避難していた人々は皆、出社命令が出て
月曜から会社に出ないとクビとのことです。

正直、こんな事態の時に信じられない、
国として避難命令を出してくれと思うのですが…


>Yoshinoさん

不快な思いをさせてしまったのでしたら申し訳ありません。

> 所詮他人事だと思っていませんか?

このあたり、ちょっと感情をストレートに出しすぎました。
もちろん全ての人に向けて言ってるわけではありません。
ただ最近、福島県庁の方に首都圏から
「おたくの原発どうなってるんだ」などと
苦情電話が入るという話を聞いたり、
計画停電やらヨウ素やらで文句ばかり聞くので
イライラしてしまっていました。
ごめんなさい。

Yoshinoさんのお話は大変勉強になりました。
確かに知らないことがまだまだたくさんあります。
原発に限った話ではないということも分かりました。
ただ、私は原発に関しては
「制御できないものを扱っている」という時点で
大きく間違っていると思っています。
その点で一斉に廃炉などが難しいことも理解しています。

世の中には私の知らないことのほうがずっと多いでしょうけど
私は、自分なりに少しずつ勉強して
自分の分かる範囲で思いを伝えていくことしかできません。

ただ、自分の故郷であるため
熱くなりすぎている自覚はあります。
もう少し冷静になれるように努力します。
このような記事は控えた方が良いのでしょうね。
申し訳ありませんでした。

投稿: うっちー | 2011/03/28 01:04

もちろん、不快に思ってなどいません。私の言葉が足りなかったらごめんなさい。
うっちーさんの心の傷がいかに深いか、わき出る言葉から察せられました。

原発をなくすのは大きな事業で時間もかかります。それを少しでも短くするためには、冷静に取り組む方が効果的だと思います。

家電のエコポイントのように、高断熱住宅へのリフォームや新築に税制の優遇措置を設けるとか、政治的な対応も必要です。800兆の負債を抱えたこの国がそれに取り組むためには、不要な特殊法人などを総ざらいで切り捨て、プールされた資金を全て引き出す必要があります。ジャンボ宝くじ級復興宝くじなども、資金調達に有効な手段です。

でも一番大事なのは、みんなの考え方が変わることです。みんながメッセージを発信することは、とても大切だと思います。真剣に取り組むのなら、正しく伝える努力も大切だと思います。

核は制御の難しい危険なものです。すでにこれだけの数の原発が稼働して、私たちの生活に組み込まれています。間違いであっても、この現実からスタートせざる得ません。

私にとって、阪神大震災は人ごとでした。
今回、東京は被害を免れていますが、お隣の千葉では、液状化でせっかく建てたマイホームを失う人が大勢でました。後には多額の借金だけが残ります。桁違いに被害の酷い土地があることはよく分かっていますが、千葉には私の友人も多くいるので気にかかります。岩手にいる親友のことも心配です。

でも、茨城には誰も知人がいません。だから、失礼ながら、気持ちがそこへは行きません。やはり、人ごとかもしれません。薄情なようですが、人はそんなものだと思います。一度に心配できる人数には、どうしても上限があります。

今回は、気を使わせてしまって、本当にごめんなさい。

投稿: Yoshino | 2011/03/28 06:26

>Yoshinoさん

こちらこそ、何だかうまく汲み取れなかったようで
申し訳ないです。

>薄情なようですが、人はそんなもの

その通りだと思います。
揶揄するわけではなく、我が身を振り返っても。
だからこそ当事者が「こっちを向いて」と
声を上げていくしかないと思っています。

一番怖いのは、忘れられること。
この言葉を身をもって実感しています。

そして、何よりこの原発事故に関して言えば
被災とはまったく別の話であり
日本の、もっと言えば世界の危機にもつながる話で、
本当にもう他人事ではないと思うのです。
誰にとっても。

おまけに、福島原発が「東京」電力であることを
知らない人が多すぎて辟易していました。

原発については調べれば調べるほど様々な意見があり
原発がなくとも本当は電力はまかなえるという話もあります。
その真偽は、素人の私には判断できません。
でも今、止めなければならない現実が目の前にあります。
とにかく、福島原発に関しては
「ない」ところから考えるしかないと思っています。

そして、この期に及んで新たな原発の建設など
狂気の沙汰としか思えません。

今、私が一番恐れているのは、
現在の状態が常態化することです。
毎日、天気予報と同じように
放射線の濃度をチェックする毎日。
そして福島の人々が
「放射能と共に生きる人々」となること。

もう既に、福島から避難してきた知人が
東京でタクシーに乗車拒否されたりした話を
身近で聞いています。
今後、海外で「Fukushima」出身だと言えば
真っ先に汚染のイメージが浮かぶでしょう。

このままうやむやにしないためにも、
一人でも多くの人に問題意識を持ち続けてもらいたい。
今はそんな思いでいっぱいです。

投稿: うっちー | 2011/03/28 07:50

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