「わたしを離さないで」
もうすぐ映画が公開される予定の
カズオ・イシグロ 著 「わたしを離さないで」。
原作の評判がとても良かったので手に取りました。
引き込まれて一気に読んでしまったのですが
内容について触れるのが非常に難しいです。
あとがきによれば、イシグロ氏は
「別に帯でネタばらししても構わない」とまで言っているそうで
確かにオチなどを楽しむのが目的の作品ではないと思います。
それでも、何も知らずに読み進むあの緊張感は
ぜひ皆さんに味わっていただきたいと思います。
ですので、内容については触れません。
(映画の予告を見るとほぼ分かってしまいますが…)
読み終わった後は、圧倒されてしまって
しばらく何もする気が起こりませんでした。
言葉にしづらい感情とか、心の機微というものを
文字という彫刻刀で丹念に彫りおこしていくような文章。
土屋政雄さんの流れるような翻訳が
また素晴らしいと感じます。
ラストシーンでは私もある風景の中にいました。
風を感じました。
今もその景色が鮮明にまぶたの裏に焼き付いていますし
思い出すと静かに涙がこぼれます。
一見、特殊な世界を描いているようでありながら
とても普遍的なものを描いている物語でもあります。
ぜひ、映画公開の前にご一読を。
「わたしを離さないで」 映画公式サイト
↑
予告が見られます。
シャーロット・ランプリングが懐かしいです。
音楽担当はレイチェル・ポートマン。
「ショコラ」の方ですね。楽しみです。
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コメント
うっちーさん
こんにちは
『わたしを離さないで』さっそく読んでいます
しっかりしたルースをキーラ・ナイトレイなんですね。シャーロット・ランプリングがジェラルディン先生なのかな?と想像しています。今まだ100ページぐらいですけど、止まらずに読み進みたい気がします。不思議な予感がしています。哀しいことでなければ良いがと思います。映画も見たいです。
投稿: あけみ | 2011/02/21 19:18
>あけみさん
こんにちは(^O^)
あけみさんも、さっそく読まれているのですね!
不思議な予感…そうですね。
余計なことを言わないように
私は口をつぐんでおこうと思います。
読み進めるほどに止まらなくなると思いますので
睡眠不足に気をつけてください。
今、勢いにのってカズオ・イシグロの
「夜想曲集」も読んでいます。
こちらは短編集です。
信頼できる同業の先輩のオススメですので
ハズレはないだろうなと思っています(^-^)
そうそう、最近観た映画では
イーストウッドの「ヒアアフター」がとても良かったです。
なかなか、落ち着いてレビューをまとめる暇がないのですが
機会がありましたら、ぜひあけみさんに観ていただきたい作品です^^
投稿: うっちー | 2011/02/22 01:31
やっぱり~と少し分かるところまで読み進んでいますけと、丁寧にゆっくり読むことにしました
「夜想曲集」「ヒアアフター」メモしました
いつも、はずれのない情報を教えていただいて
喜んでいます。ありがとうございます
近所にも梅の花が咲いてきました。もうすぐ春ですね。お元気にご活躍されますようにとお祈りします。
投稿: あけみ | 2011/02/23 07:05
>あけみさん
夜想曲集は二話ほど読み終わったところです。
こちらはもう少し軽めに楽しめそうですよ。
大阪ではもう梅の花が咲いているのですね。
こちらは明日の予報がなんと20度近いそうです。
お互い元気に春を迎えたいですね(^-^)
投稿: うっちー | 2011/02/24 14:25