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2010/12/03

ゴッホ展-国立新美術館にて

やっとゴッホ展を観てきました。
初めての国立新美術館。
建物自体がとても美しく、しばし見とれました。

ゴッホがミレーの影響を強く受けているということは、
絵を見ただけではなかなか分からないと思います。
印象派の影響の方がまだ分かりやすいですよね。

でも実際はミレーの「掘る人」の模写に始まり、
何枚も何枚も「掘る人」の習作を重ねていたそうです。
その他にも「種まく人」など、農民の姿を描いたもの。
それら同じモチーフの絵が何枚も何枚も展示されていて、
何かを追い求める人の執念というか凄みに、まず圧倒されました。

ゴッホは、ほぼ独学で絵を学んだ人だそうです。
模写や、技法書を読むことによって学んでいったといいます。
ゴッホが読んでいた技法書なども展示されていました。
黄ばんだボロボロの本を眺めていると、
そのページを繰っていたゴッホの姿が目に浮かぶようで
つい足が止まってしまいます。

特に人だかりができていたのは、
「アルルの寝室」「灰色のフェルト帽の自画像」
そして浮世絵のコーナーあたりでした。

そう、浮世絵。
日本の浮世絵からも多大なる影響を受けたというのは有名ですが
やはり日本人としては単純に嬉しくなります(^-^)

「アルルの寝室」がとても印象的でした。
実物大の部屋も再現されていて、
それにまつわるエピソードも知ることができます。
この寝室があったのは、ゴッホが作ろうとしたユートピア--
アーティスト仲間を集めて一緒に暮らそうとした家でした。
後にゴーギャンと共同生活を送りますが
耳切り事件ですぐに破綻してしまったのは有名な話です。

そういったことを知った上で改めてこの絵を見ると、
「休息を描いた絵だ」というゴッホの言葉にもかかわらず
仲間を求めた芸術家の孤独を感じます。

晩年、サン=レミの療養院で描かれた庭の木々は
どの絵も、美しいのだけれどどこか淋しく悲しい。
敷地外に出ることを許されなかった時期。
それでも、描く。とにかく描くのです。
いつでも、どこでも…

ただ毎日、荒れ放題の庭を眺めながら、
ひたすら絵を描き続けたゴッホ。
生きること=描くことだったのでしょうね。
これこそ「ライフワーク」というものなのでしょう。
圧倒されます。

ゴッホに影響を与えた様々な画家の絵も展示されています。
点描で有名なスーラの絵なども久々に見られて嬉しかったです。

色々な人の影響を受け、模倣に始まりつつも、
それをとことん消化して、自分の作品として昇華させていく。
その過程がよく分かる展示でした。

真似るならここまでやらなきゃダメなのだろう、と。
よく盗作か否かで問題になったりしますけど、
そのレベルでは本来、問題外なんじゃないかな。

映画にたとえるなら、
「隠し砦の三悪人」が「スターウォーズ」になったくらいのレベル。

そこまでとことん追求できる人を天才と呼ぶのかな、などと
ふと考えたりした展覧会でした。


東京では12月20日まで。
その後、福岡と名古屋を巡回するようです。
機会がありましたら、ぜひ足を運んでみてください。

没後120年 ゴッホ展 公式サイト

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コメント

アルルの部屋、いいですよね! 私も大好きな絵のひとつです。
部屋の再現があるんですね… 絵のほうを好きすぎて、
見たいような、見たくないような微妙な気持ちです(笑)

投稿: すー | 2010/12/06 17:19

>すーさん

ああ、絵の方を好きすぎるようでしたら
再現は見ない方が良いかもしれませんね…(^-^;)

全体的にはとても良い展覧会だったと思います。
ただ、平井堅のテーマソングが合わなすぎましたorz

投稿: うっちー | 2010/12/08 13:39

平井堅…^^;
展覧会にテーマソングは必要なのかと(笑)

投稿: すー | 2010/12/09 16:40

>すーさん

ゴッホの一生のスライド上映で「○○年 ピストル自殺」、と
テロップが表示された瞬間にテーマソングが…
まるで月9でした。

あれは本当にやめてほしかったです…

投稿: うっちー | 2010/12/09 17:22

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