「リービング・ラスベガス」
全てを失い、死に場所を探すアル中の男(ニコラス・ケイジ)と
誰かに愛されたい、純粋な心を持つ娼婦(エリザベス・シュー)。
この二人の純愛を描く物語…といえばいいのかな。
(個人的には抵抗ありますが)
二人の関係が始まるときに男が言う言葉が重いです。
「決して、俺に酒をやめろと言うな」
そして、女はその言葉に従い続ける。
酒浸りで苦しむ男に寄り添い、
文句も言わず、説教もせず、ただ支え続ける。
自らは娼婦の仕事を続けながら。
女の純粋な愛情は、痛いほど感じます。
でも、男は?
男は好き勝手やってるだけ。
「君は僕の天使だ」なんて言ってるけど
一人でいたくなかっただけ。
誰かに甘えたかった、依存したかった、それだけに見えます。
甘やかしてくれる相手なら誰でも良かったんじゃないかと。
だって、彼女を思って
彼女のために何かをする、ってことが一切ない。
自分の主張ばかりで、ほんとにただの駄々っ子です。
しかも死にたいと言いながら、一人で死ぬ勇気もない。
この主人公をかっこいいという人の気持ちが分からないな…
男性像として、かなりリアルではありますけど(笑)
逆に、女が可哀想すぎて泣けてきます。
もっと幸せになれるはずの、魅力的な女性なのに
つらい展開ばかりでせつなすぎる。
女がひどい目に遭っているとき、
男は支えるどころか気づきすらしないし。
女は、男を愛したがゆえに
必死で相手のことを分かろうとしています。
理解して、受け入れて、許して…
でも残念ながら男は、女が抱えている闇を
一切理解していないように思えました。
自分のことで精一杯で、分かろうともしていなかったような。
ニコラス・ケイジがアカデミー主演男優賞を獲っていますが
エリザベス・シューが獲れなかったなんて!
と憤慨したくなるほど、彼女の演技が素晴らしかったです。
しかし「純粋な心を持つ娼婦」って、本当によく見る設定…
男の究極の理想(もしくは妄想)なんでしょうね。
いろいろ書いちゃいましたが、映画自体は面白いですよー。
音楽とか、夜のラスベガスの雰囲気が最高です。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 愛を読むひと(2012.11.01)
- 最強のふたり(2012.10.26)
- それでも、愛してる(2012.10.16)
- カウリスマキ監督特集-「浮き雲」(2012.07.01)
- 「ミッドナイト・イン・パリ」(2012.06.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
うっちーさん
こんにちは
『月の輝く夜』を見て以来
ニコラス・ケイジの、あの眼にまいりました
うっちーさんの感想にも惹かれましたので
時間を作って見たいと思います
いまから静岡にふたごの孫に会いに行ってきま~す
投稿: あけみ | 2010/10/09 11:34
>あけみさん
こんにちは!
またごぶさたしちゃってます~
お元気そうで何よりです。
「月の輝く夜に」、懐かしいですねぇ!
決してハンサムというわけではないと思うのですが
いい味を出す俳優さんですよね。
ちょっと辛口の感想になってしまいましたが(笑)
お時間があったらぜひどうぞ~。
だいぶ暗い話ですけど…
お孫さんと、楽しく過ごしてきてくださいね!
投稿: うっちー | 2010/10/09 13:42