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2009/03/01

チェンジリング

映画の日ということで、「チェンジリング」を観てきました。

「チェンジリング」公式サイト

changeling(チェンジリング):
【意味】
取り替えっ子;
ひそかにまたはうっかりして取り替えられて残された子.
(ランダムハウスより)

その名の通り、我が子を取り替えられてしまった女性のお話。
ある日、息子が行方不明になった。
半年後、「見つかりました!」と言って連れてこられたのは
別人だったという…
実話を基にしています。

アンジェリーナ・ジョリーが苦手なので少し迷いましたが
クリント・イーストウッド監督ということで非常に観たくなりました。
しかし、「ミスティック・リバー」が後味悪すぎて苦手だったので
一抹の不安もあり…

でも結論から言えば、観て本当に良かったです。
「ミスティック・リバー」とは後味がだいぶ違います。
アンジェリーナ・ジョリーも、新たな一面を見せてくれました。

まさに「事実は小説よりも奇なり」です。
こんなことが、まさか本当にあったとは。
頻繁に聞こえてくる「LAPD」という略語は
Los Angeles Police Department(ロサンゼルス警察)の意。
腐りきった、という表現ではとても足りないくらいの腐敗ぶり。
ネタバレは控えますが、
ある意味、連続殺人犯などよりも怖ろしい存在に感じました。

予備知識は予告以外なしで観に行ったのですが
やっぱり正解でした。
こんな事件が絡んでくるとは知らなかったので
最後まで、息をのみながら鑑賞。

映像もとても美しく、時代の雰囲気が出ていて
あっという間の2時間半でした。
ちなみに音楽担当もイーストウッドです。


*****以下、ネタバレあり*****


連続殺人犯が少年達に性的虐待をしていたという事実が
映画の中では描かれていませんでした。
観た後で調べて知ったのですが、これにすごく救われました。
映画のテーマとしては必要なかったと思いますし
たとえ事実とはいえ、そこまで描かれていたら
なんともやりきれない気分になっていたと思います。
(まあ、想像はつくんですけれども)
想像に任せる範囲に留めてくれて、本当に救われました。

そうでなくても、つらすぎる事件ですから…

下記に、現実の事件の詳しいいきさつがあります。
(完全ネタバレです)
なぜ遺体が全て白骨化していたのかも分かります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E4%BA%8B%E4%BB%B6

http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/murder/text2/northcott.html

当時、偽の息子を引き渡された時の
クリスティン・コリンズの写真。
(クリックすると大きくなります)

Collins

この裏での警察の動きを想像すると、怖ろしいです。

しかし、やるせないですね。
結果的に、この事件をきっかけに警察の腐敗が暴かれ
クリスティンは社会を大きく変えることになった。
救われた人も大勢いた。
それはすごいことだけれど、そもそも彼女が望んでいたことは
そんなことではなかったのに。

「My son!」という叫びが今も耳に残ります。

一番号泣してしまったのは、
数年後に見つかった少年の言葉でした。

「なぜ今まで名乗りでなかった?」
「怖かったから」
「じゃあなぜ、今頃名乗り出たんだ?」

この質問に対して答えるシーン。
堰を切ったように溢れ出る感情、
子供らしい素直なセリフに涙が止まりませんでした。
向こうの子役は、本当にいい演技をしますね…

殺人に手を貸すことになってしまった子供の姿も、
見ていて胸がキリキリと痛みました。
こんな経験をして普通の人生を歩むことができるのだろうか?と。
(実際は、家庭を持って長生きされたそうです)

なんだか、本当にいろいろなことを考えさせられる映画でした。
一生、息子を捜しつづけたというコリンズさんの人生を思うと
やるせなくなります。

だからこそ、途中のアカデミー賞のエピソードが救いでした。

「私は“或る夜の出来事”に賭けるわ!」

ああ、映画とか観てはいたんだな。
少しは、自分自身の人生も楽しむことはできたのかな。
このエピソードが事実かフィクションかは分かりませんが、
ほんの少しでもそう感じさせてくれるシーンがあって良かったです。

『或る夜の出来事』、私も昔観ました。
こういう時代を感じさせる小ネタは嬉しいですね。

字幕は、松浦美奈さんでした。

最近では珍しく、手書きっぽかったですね。
懐かしい雰囲気で良かったです。
ベンジャミン・バトンは、手書きっぽく見せた
コンピュータフォントのように感じたんですが…

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コメント

アンジェリーナ・ジョリーというと
派手なアクションを想像しますけど
この作品では違うアンジーを見れるのですね
私生活ではよき母ですから興味深いです

クリント・イーストウッドが監督と音楽もですか
へぇ~ ビックリ!

マンマ・ミーアで明るい前向きな気持になっているので、今は余韻を楽しんでおきたいですけど
私は毎日1000円ですし、そのうちに観ようと思います

字幕に 、うっちーさんと書かれる作品なら
私はきっと毎日通って嬉しがると思います

投稿: あけみ | 2009/03/02 12:38

>あけみさん

非常に重~い映画なので、
しばらくは「マンマ・ミーア!」の余韻を楽しんでください(笑)
まだ始まったばかりですしね。

私も反動で、また「マンマ・ミーア」が観たくなってます…

クリント・イーストウッド、
なんだかすごい人になっちゃいましたねぇ。
私が初めて観たのはダーティ・ハリーでしたけど
まさか、こんな社会派の監督になるとは想像もしませんでした。

字幕にうっちー…いつになることやら…
でも、頑張りますよ~

投稿: うっちー | 2009/03/03 03:00

w(゚o゚)wはじめまして(*゚▽゚)ノ私も映画大スキです。
やっと、チェンジリングを見てその後を知りたくなり検索したらここにたどり着きました。
やっぱり、帰って来なかったんですね。。。(ρ_;)
クリスティン・コリンズも亡くなられたんですね
今更ながら、昔のアメリカはそうだったんだなぁ~
と思いました。
色々と深く思い映画でした。でも、とても良かったです。マンマミーアは、楽しい映画でしたが、私的には、ミュージカル調が苦手なので・・・
映画一杯見られてるんですね~
翻訳されるなんてすごいですね~w(゚o゚)w尊敬ですわぁ~♪
英語喋りたいです。
長々と、書いてしまいました。
また、お邪魔しますね~(TωT)ノ~~~ バイバイ

投稿: mayu | 2009/04/12 07:40

>mayuさん

せっかくコメントいただいたのに、
お返事がすっかり遅くなってしまってすみません。

チェンジリングは、
本当にいろいろと考えさせられる映画でした。
実話のその後って気になりますよね。
ちょっとでもお役に立てて良かったです。
とはいえ、私も他のサイトにお世話になっただけですけど(笑)

ミュージカルは、
どうしても好き嫌いが分かれますよね~
私はミュージカル大好きですけど、
苦手という人の気持ちも分かります。
半分、慣れのような部分もあると思いますが…

気が向いたら、また是非いらしてください。

投稿: うっちー | 2009/05/02 00:07

初めまして。「チェンジリング」のその他の関係者のその後が知りたくて調べてたらたどり着きました。
ウィキのリンク、助かりました!

その後体調はいかがでしょうか?
コメントのお返事けっこうですので、お大事に★

投稿: | 2009/07/24 13:26

>杏さま

コメントをいただきながら、
非常に永らくブログを放置しておりまして
すみませんでした。

リンク、お役に立ててよかったです。
実話を元にした話ってとても好きなんですが、
いろいろ気になって、いつも調査魔になってしまいます。

最近は、体調もきわめて良好です。
このコメントを読んでいただけるか分かりませんが、
またぶらりと遊びにきてくださいませ。

投稿: うっちー | 2009/10/15 00:35

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