ちょっと酔っ払って書いてますがお許しを。
少しだけネタバレあります。
○ザ・マジックアワー
大好きな三谷幸喜さんの作品。
実は、既に2回観に行ってしまいました。
それくらい面白い!
絶対オススメです。
何と言っても、キャストが最高の演技を見せてくれます。
もう、たまらないです。
三谷さんの作品はほとんど観てますけど。
これはベスト3に入れたいな~ベスト1かも。
佐藤浩市、ファンになっちゃいました。
あの吹っ切れっぷりはすごいです。
何かを捨てたとしか思えない。
妻夫木くんの意外な一面、寺島進のユーモア、
深津絵里も相変わらずの名演・・・。
そして西田敏行!!
この人の間の取り方、セリフ回しは天才的ですねぇ。
でも、私がこの映画で好きなところは、
笑い以外の部分にもあるんです。
佐藤浩市演じる、売れない役者・村田がとてもいい。
映画を愛していて、役者という仕事に打ち込んでいるのに、
全然日の目を見ないんですね。
それでも、幸せそうなんです。
なぜでしょう?
村田大樹は、自分のすることを愛しているからです。
かの「ニュー・シネマ・パラダイス」で
アルフレードがトトに言いましたね。
「自分のすることを愛せ。子供の頃、映写室を愛したように」
それを、まさに地でいってるんです。
だから、とても共感してしまうんですね。
個人的な思い入れが多分にあるんですけど(笑)。
私は昔から映画関係の仕事につきたいと思っていて、
字幕には特に興味があって、ずっと憧れていました。
今、その夢を仕事にすることができて、
苦労はありながらも充実した日々を送っています。
でも、周囲からは結構同情的な目で見られたりします。
「名前はまだ出ないの?」
「ギャラも安くて大変だね」
「正社員にはなれないの?」
的外れな質問もいろいろあったりしますけど、
私の映画に対する思いや、仕事に対する思い入れは
なかなか他人には分からないだろうなと思います。
それは仕方のないことです。
生活するだけで精いっぱいのギャラで、
休みなく働いて、それで名前が出るわけでもない。
でも、大変なこともいろいろあるけど、
やっぱり好きなことを仕事にできて幸せなんですね。
そんな自分と村田が、すごく重なります。
とあるミスで、劇場のスクリーンに
村田が映ってしまう場面があります。
ここで、劇場では笑いが起こっていましたが、
もう私は涙が止まらなくて。
その瞬間の村田の表情が、すごくいいんですよ。
ある意味で彼の夢が叶ったわけですが、
本当の意味で叶えるために、もう少し頑張れよ、って
背中を押される場面だと思うんです。
諦めるなよ、お前がやりたいことはこれだろ、って。
周りに笑われたっていいじゃないか、って。
村田は、何度も何度もくじけそうになって、
きっとその度に起き上がってきたんだと思います。
もう諦めよう、と思ったときに、
「自分のすることを愛する」自分を思い出すんです。
このシーンは、
「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストシーンにも似ています。
佐藤浩一の表情が、ジャック・ペランにも重なります。
「自分のすることを愛せ」
これは、そんなに簡単なことじゃないと思います。
でも、そういう人生は素敵じゃないでしょうか。
日の目を見ても見なくても、
自分のすることを愛せる人生は、素晴らしい。
人生のマジックアワーを夢見て、
今日も明日も、一歩ずつ進んでいきたいなぁと
しみじみ思わされる映画でした。
しかし、この映画を観に行って
「ニュー・シネマ・パラダイス」を引き合いに出すことになるとは
思いもしなかったな。
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