最近、立て続けに映画DVDのコメンタリーの翻訳をやっています。
コメンタリーの翻訳って、本当に大変ですね~。
大多数の人は本編しか見ないと思うので、
コメンタリーって何?という方も多いのではないでしょうか。
特典映像とは、また別のものです。
特典映像は、主に撮影の裏側を見せますよね。
このシーンは実はワイヤーを使って・・・という風に。
裏側の映像を見せつつ、スタッフや監督が解説します。
コメンタリーとは、本編の映像にかぶせるコメントです。
つまり、本編を見ながら
監督やスタッフがおしゃべりしてるんです。
「このシーンは大変だったよ~」とか
「ここのカメラスピードは○○で・・・」とか
「彼は有名になったよね」などなど。
とりとめのない話だったり、内輪ネタだったり、
とにかく訳しにくいな~と感じます。
おまけにスクリプトに間違いが多いと、
調べ物にも時間がかかり・・・
固有名詞に間違いが多いと、本当に苦労します(^-^;)
納品後は、演出の方に分かりにくいところを指摘していただき、
代案を検討しながら仕上げていきます。
これがまた、とても勉強になりますし
自分の字幕を客観的に見ることの難しさを実感します。
苦労しつつも、本日も一本納品完了しました~ホッ。
おしゃべりな監督だと、上映中ほとんどしゃべってるので
本編よりかなり字幕の数が増えます。
今回はアクション系だったこともあり、
本編の字幕は600枚台だったのに、コメンタリーは約1100枚。
さらに本編抜きがあるので
(コメントがない部分には、本編のセリフをそのまま入れる)、
全体としては1300枚を超えました。
クレジットが流れ始めてもず~っとしゃべってるので
泣きそうになりました(笑)。
1970年代~1980年代の映画が、
20周年などの節目を迎え、
特典映像やコメンタリーを加えて再発売されたりしています。
私が最近コメンタリーを手がけた2本の映画も、
小~中学校の頃に夢中で観ていた映画でした。
映画自体も懐かしいですけど、
あの頃の小さな自分を思い出すと
今、この仕事をしていることがとても不思議に思えてきます。
そして、どんな小さい仕事でも
全力で取り組んでいきたいとしみじみ思います。
だって、どこかで映画好きな誰かが
コメンタリーを熱心に観ていてくれるかもしれないんですから。
くじけそうな時は、このセリフを思い出します。
「自分のすることを愛せ。
子供の時、映写室を愛したように」
(『ニュー・シネマ・パラダイス』より)
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