「フラガール」
ケアンズ日記をお休みして、今日は映画レビューを。
現在、アメリカのアカデミー賞における外国語映画賞の
ノミネート作品の日本代表として候補にあがっているという「フラガール」。
ややこしいですね(^-^;)
正式にノミネート作品が決まるのは確か2月くらいなので、
その候補にあがっているということです。
公式サイトはこちら。
何を隠そう、舞台となる福島県いわき市は、私の地元。
「常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)」には、
数え切れないくらい遊びに行っています。
その建設・維持には父も関わっていて、思い入れもひとしおの映画です。
しかし、ひいき目を差し引いても、素晴らしい映画でした。
地元・いわきを誇りに思います。
小さな頃から何度も訪れているハワイアンセンター。
フラダンスを真剣に見たことなど、一度もありませんでした。
プールで遊ぶことに夢中で、フラはほとんどBGM。
今度行ったときには、絶対にじっくり味わってこよう。
そう思わされる映画でした。
あまり日本映画を観ない私ですが、ここ最近のお気に入りは
「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の流れでした。
「フラガール」は、監督は違うものの、確かにその流れをくむ作品です。
一つの目標に向かって皆が力を合わせ、
最後の晴れ舞台で大きなカタルシスを得る・・・そんな作品。
そのコンセプトから見ても、完璧な映画です。
ただし、前記2作品にはない力強さが「フラガール」にはあります。
それは、目標に向かう「動機」の重さの違いです。
すすけた炭鉱の町。
生きて行くには、穴にもぐって石炭を掘るしかない。
そんな閉塞感の中で生きている少女達が、
そこから逃げ出すためではなく、町を、家族を支えるために立ち上がる。
エネルギー革命の時代です。
石炭が、石油に取って代わられる時代。
父親である炭坑夫たちがリストラされる中、
少女たちがあくまでも前向きなエネルギーで立ち上がっていく。
そこには町の生命、家族の生命、そして自分の人生がかかっているのです。
「田舎町の閉塞感から逃げ出すために、都会に出てダンサーになる」
というようなストーリーだったら、巷にあふれるくらいあります。
そうじゃないから美しいし、胸を打たれます。
とても日本的な良さが出ている作品だと感じました。
実際、当時のフラガール達は話題になったことで、
東京の芸能プロダクションから多数の誘いを受けたそうです。
しかし、一人として行かなかったと。
そんな話をパンフレットで読み、あの子達ならそうだろうなぁ、
と一人納得してしまいました。
「石炭掘り」にこだわる町の人々のストーブが、
全て「石油ストーブ」であるところが切ないです。
分かっていても、人間そう簡単に変われるものじゃない。
まして、30年も1つの仕事をやってきたとしたら。
でも、少女たちのエネルギーに、大人たちが動かされていきます。
果ては町全体が動かされていくのです。
「女は強えな」
豊川悦司の台詞が、妙に印象に残ります。
役者さんたちが、本当に素晴らしい。
やけどしそうに熱い演技。
「私は、こんなにまでも何かに必死になったことがあるだろうか?」
思わず自問自答してしまいました。
松雪泰子さんの美しさには息をのみました。
蒼井優さんの初々しさにも。
そして、フラダンス・タヒチアンダンスの素晴らしさ。
またまた、「ダンスを習いたい」願望が頭をもたげてきました。
ネタバレしないように書くにはこのくらいが限界ですが、
一つ一つの場面が、宝石のように心に残る映画です。
ぜひぜひ、皆さん足を運んでみてください。
私もきっと、あと何度か行くと思います(^-^;)
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コメント
私も観ました。
『頑張る女の子の味方』を自認する私は、かなり感情移入してしまい、
何度も泣かされそうになりました。
まさか、静ちゃんで泣きそうになるとは思ってもいませんでした.....。
『ALWAYS 三丁目の夕日』もそうでしたが、ラストの、未来に希望を
持った登場人物たちの笑顔が良いです。
観終わった後、爽やかな気持ちになれました。
投稿: Yoshino | 2006/10/02 19:14
>Yoshinoさん
おお~、ごらんになられましたか!
本当にいい映画でしたよね。
ラストの笑顔は本当に絶品で、
何度も観に行きたいなぁと思える作品です。
冒頭のいわき弁を聞いた時点で涙がぽろり、
(↑これは個人的郷愁)
以降、ずっと涙が出っぱなしでした。
みんな一生懸命で、アツくて、最高です。
やっぱり、何があってもアツく生きていきたいなぁと、
しみじみ思いました。
投稿: うっちー | 2006/10/02 23:20