「フォレスト・ガンプ」
羽が空を舞うところから始まる、この映画--。
昔、親しい友人が、
「羽が舞っているシーンだけで涙が出てきた」と言っていましたが、
その気持ちがよくわかりました。
美しく優しすぎる音楽にのせて、
静かに舞い、落ち、浮き上がり、また止まる、白い羽。
それはまさに人生そのもの。
流されているように見えて、運命だったり、必然だったり。
フォレストの語る人生。
色々な人のレビューを読んでいると、
「あんなに上手くいくわけがない」というような感想を見かけて、
唖然とします。
彼の口から語られる人生が、どこまで真実なのかは重要じゃない。
もしかしたら、多少は話が大げさになっているかもしれない。
でも、素晴らしいのは彼の存在そのもの。
愛する対象をまるごと心で包み、
まっすぐに信頼をぶつけて、心を開かせてしまう。
ババとの友情、ダン中尉との友情。
そして、ジェニーへの愛情。
フォレストにとって、名声や財産よりも
これらの方がずっとずっと、価値のあるものだったはずです。
綺麗ごとと言われそうな真実を、
フォレストは体現してくれた。
時代の流れに乗りながら、決して流されるだけではなく、
常に全身でぶつかっていって様々なものを得る。
周りの目や、しがらみ、プライドなど、
くだらないことに気をとられてしまう私たちには、
真似るのが難しい生き方です。
ダン中尉が心を開くところが、個人的には一番好きでした。
美しい空の下で海に浮かぶダン中尉は、
まさに「神の子」でした。
この映画からは、
優しい声が聞こえてきます。
「奇跡は、起こるんだよ」
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今週の映像翻訳講座の課題は、この作品の字幕です。
予習として通して観ましたが、すっかりのめり込んでしまいました。
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