「コープス・ブライド」
不安でいっぱいだったけど、初対面で惹かれあいます。
ところが、墓地で誓いの言葉を練習していたビクターは、
なんと死体に向かって誓いの言葉をささげてしまうのです。
さてさて、この三角関係はどうなるのか・・・。
「ティム・バートンのコープス・ブライド」、観てきました。
公式サイトはこちら。
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」以来の、
ストップモーションアニメ。
とっても楽しみにしていました。
1~2秒の動きを撮るのに12時間を費やすこの手法は、
CG全盛の今だからこそ、魅力があります。
カラフルでにぎやかだった「ナイトメアー・・・」に比べると、
「コープス・ブライド」はまるでモノクロの世界。
(死者の国はカラフル、という皮肉・・・)
相変わらず美しい曲線に彩られた、バートンワールドが広がります。
物語も、しっとりと切なく進んでいきます。
悲しい事情を背負いながら、
ビクターを愛するコープス・ブライド(死体の花嫁)。
同情する気持ちもありながら、
やはりビクトリアの元に戻りたいビクター。
一心にビクターの無事を祈り、助けに行こうとするビクトリア。
3人のキャラクターがとても魅力的です。
誰も悪くないのに、誰かが悲しまなければならない。
みな幸せになりたいはずなのに、自己中心的になりきれない。
3人がそれぞれに優しすぎる心を持っているので、
切なくて切なくて、涙があふれてくるのを止めることができません。
なんだか現実の世界では、
不倫だとか、浮気だとか、二股だとか、
自己中心的な恋愛ばかりを周りに見ているので、
なおさら心にしみました。
小道具として、ピアノがとても効果的に使われています。
まさに、心が通じ合うために言葉はいらない、と思える場面です。
ダニー・エルフマンの音楽は
相変わらず世界観にぴったりで素晴らしいし、
コープス・ブライドの悲しげな歌声は
一度聴いたら忘れられません。
また、「スクラップス」という犬が出てくるお遊びも!!
「スクラップス」とは、ティム・バートンの短編映画、
「フランケン・ウィニー」に出てきた犬の名前です。
うーん、コアなファン向けのネタ、心憎いですね。
変わった名前なのでしっかりと覚えていた私でした(^-^)゛
悲しい恋愛物語ではありますが、
もう一つ考えさせられることがあります。
それは、「死者」に対する認識です。
ティム・バートンにとって、
「死者」は決しておぞましいものなんかではない。
それは、彼の作る作品たちを見ればわかると思いますが、
それでは「死者」とは何なのか?
生者である私たちにとって、どういう存在なのか?
その答えが、この映画にはあります。
そして、その答えが分かった瞬間、
また涙が止まらなくなるのです。
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