【課題】歌詞の翻訳
さて、先週の映像翻訳講座の課題の一つが、歌詞の翻訳でした。
「Star-spangled banner」(アメリカ国歌)と、ジョン・レノンの「Imagine」。
歌詞を全部載せるのはアレなので、
印象に残っていることをポツポツと書いてみます。
まずアメリカ国歌「星条旗」ですが、これは苦戦しました~。
まず、意味を理解するのが大変だったんですね。
戦争中に書かれた詩で、さらに異国の国民性で書かれていますし、
どこから何を見て書いているのかが、なかなか掴めませんでした。
主語と動詞もわかりにくい。
興味のある方は、こちらに全部の詞がのっています。
→ウィキペディア「アメリカ合衆国の国歌」
やっと全体の意味がとれたとき、その勇ましさに驚きました。
良くも悪くも、非常にアメリカらしい国歌です。
上のリンクのウィキペディアは、ちょっと意訳しすぎなのですが、
詳しく解説を始めると文法の講義になってしまうのでやめておきます。
ひとつ印象に残ったのは、「rocket」という単語。
日本語ではロケット、ロケット弾です。
最初、パーッと訳したときにはロケット弾としていたのですが、
どうも情緒のなさが気にかかり、調べた末に「のろし」としました。
時代背景を考え合わせても、やはり「ロケット」は違和感があります。
さらに、先生が提案した訳がさすが!!
「火矢、なんかどうでしょう」
うーん、いいですねぇ。
辞書には載っていない言葉をさぐるのが、翻訳の醍醐味です。
一方、「Imagine」の方は、歌詞の理解は易しいです。
文法的にも中学生くらいでしょう。
しかし、いざ訳してみると奥が深いのでした。
「You may say I'm a dreamer」という詞があります。
私の訳は、「君は僕を夢追い人と言うかもしれない」。
dreamerという単語には、
理想家とか夢想家とかいう訳をあてることが多いと思ったので、
あえてちょっと変えてみたいと思ったのでした。
そうしたら、受講生の中にはもっとすごい人が!!
「君は僕のことを 頭がおかしいと言うかもしれない」
ちょっと意訳しすぎかもしれませんが、なるほどーと思ってしまいました。
さて、この曲の一番の難関が、possessionでした。
「Imagine no possessions」
無理に日本語にするなら、「所有というものがないと 想像してごらん」
しかし、英語のpossessionには、
支配、占有など、もっと広いニュアンスがあるようです。
それは分かるものの、それにあたる日本語がないのですね・・・。
「所有」という言葉自体も、歌詞としては情緒がなさすぎる。
私はさんざん悩んだ末にギブアップ、所有としました。
ドキドキしながら皆の訳が読まれるのを待っていると、
来ました来ました~。
「世界はみんなのものだと 想像してごらん」
なるほどー!!
所有・占有・支配がない、つまり全てが皆のものである、という意訳ですね。
唸りました。
もう一つ。
「無欲な世界を 想像してごらん」
所有という概念がないから、欲しいという欲望も生まれないというわけです。
ふむふむ。
みんなすごい!
素直に心の中で拍手していました。
違和感がありながら、途中であきらめてしまった自分に反省です。
そして、翻訳という作業は本当に頭を柔らかくする必要があると実感しました。
どこまで意訳して良いのか、というのがまたもう一つの難関ですね。
さて、この日の講義では「ハコ書き」というものもやりました。
こちらについても、後日書けたらと思います。
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