「ネバーランド」
ピーター・パンの生みの親、ジェームズ・バリの人生を下敷きにした映画です。
ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、フレディ・ハイモアら、
素晴らしい演技陣が揃っています。
特に上記の3人は、本当に素晴らしい。
その表情を見ているだけで、胸に突き刺さるものがあるくらいです。
子役のフレディ・ハイモアは天才的に思えます。
ピーター・パンといえば、「永遠の少年」。
ジェームズ・バリもそのような人だったと言います。
けれど、少年時代への賛歌のような作品かと言えば、それだけではないのです。
少年が、大人になろうとする瞬間。
それを見事に切り取っています。
その瞬間が、なんとも感動的です。
母親への愛情、バリとの友情、信頼関係。
そして想像力。
これらを翼に、少年たちは大人へと羽ばたきます。
少年時代は、素晴らしい。
けれど、大人になるのもとても素敵なことなんだ。
そう思わせてくれます。
「ごっこ遊び」をやめたのはいつだったろう。
思わず、今日は一日、そんなことを考えていました。
誰もがきっとやっていたはずの「ごっこ遊び」。
それがこの映画の中では大きな位置を占めているのです。
「想像力」の象徴として存在しているように思えます。
しかし、海賊になったり、王様になったり。
そんな子供の遊びだけが「ごっこ遊び」なわけではありません。
自らが病気だと認めたがらない、
ケイト・ウィンスレット演じる母親も、
ある種の悲しい「ごっこ遊び」をしているのです。
ネバーランドを信じるのも、いわば「ごっこ遊び」なのかもしれない。
けれど、想像力の翼をもたない人生は、
なんとも味気ないものに思えます。
クライマックスでは、
大人になろうとしている子供たちの前で、
大人たちは子供に還ろうとしているように見えます。
その2つが交叉する瞬間こそが、
ネバーランドなのかもしれません。
まさに永遠の瞬間。
圧倒的な感動に包まれます。
観終わったあと、あまりにも色々な感情が渦巻いていて、
(さらに泣きすぎて(^-^;))
うまく感想がまとまりません。
けれど、たくさんの人に観て欲しいと思った映画でした。
オススメです。
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