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2005/01/22

「サウンド・オブ・ミュージック」来日公演

soundofmusic

ブロードウェイの来日公演、行ってまいりました(^-^)/
「サウンド・オブ・ミュージック」といえば、
あの映画が皆さん浮かぶと思いますが、
もとは舞台だったんですよ。
冒頭、マリアの歌声を聞いた瞬間から、
私の涙腺は壊れた蛇口に変身しました。

以下、映画版との比較をしたネタバレです。

生はやっぱり良い。
曲目に「something good(何かよいこと)」が入っていたので、
オリジナルの舞台とはだいぶ違うのかもしれません。
(「something good」は映画版のオリジナル曲なのです)
が、映画と衣装などがそっくり同じでした。びっくりするくらい。
映画に合わせたのか、
それとも映画がオリジナルの舞台に忠実だったのか。
気になるところです。

有名な「My favorite things(私のお気に入り)」も、
使われる場所が違っていました。
修道院を出る前に、シスターと共にマリアが歌います。

じゃあカミナリの夜に子供たちと歌う曲はと言えば、
こちらが「The lonely goatherd(ひとりぼっちの羊飼い)」。

「Do-Re-Mi(ドレミの歌)」は、
子供たちと初めて会ったときに歌いだす歌。

この辺りが、映画版と大きく違うところでしょうか。
あとは大佐の婚約者エルザのナンバーが2曲ありました。
これもかっこよかった!

このエルザ、映画版では
あまり魅力を感じないパターン化された人物ですが、
舞台版を観てみるとあらまあ。
なかなか骨太な魅力がありました。
自分から大佐を捨てて、去っていきます。

とにかく曲を聴いているだけでも、
なんだか夢がかなったような気分で涙が止まらない舞台でした。
生はいいなあ、と思う反面、映画版の素晴らしさをも再度実感。
それぞれに、全然違った魅力があります。


以下、映画版ならではの魅力を羅列してみます。


映画版冒頭、雄大なアルプスの山々を俯瞰しながら
マリアにパンするカメラ。
あの映像の美しさが、まさに映画の醍醐味なのですね。
そしてラストのアルプス越えの風景も、舞台では作れない魅力です。

ドレミの歌を歌うようになる経緯や、
あの大自然の中でのカメラワークも映画版の大きな魅力のひとつ。
愛情に飢えていた子供たちの、開放的な笑顔がたまらない。
「アップ」という技法が使えない舞台では、
かなえられない魅力の一つです。

ラスト、追っ手から逃げるシーンは、
映画ならではの緊迫感があります。
この辺、舞台版は非常にあっさりしていました。

そして何より重要なのは、
追っ手の一人であるロルフの行動が正反対なこと。

長女リーズルの恋人・ロルフは、
舞台版ではトラップ一家を見逃し、助けます。
まあ、普通と言えば普通だし、美しい展開ですね。

でも私は、ここでびっくり。

映画版を観た方ならご存知ですよね。
映画版ではロルフは、恋人だったリーズルを裏切るのです。

組織に取り込まれ、
「ハイル・ヒトラー」と口にするようになったロルフ。
時代や戦争というものが、人を狂わせ、純粋な愛をも壊してゆく。
「Sixteen going on seventeen(もうすぐ17歳)」を歌っていた
二人の姿がオーバーラップして、
残酷さと切なさがひしひしと伝わってくる場面でした。

結局逃げる展開は一緒なので、ほんの短い場面なのですが、
映画版のあの展開は秀逸だったと思います。
もちろん気持ちとしては裏切ってほしくなんかないのだけれど、
裏切ってしまうところに限りなく深い悲しみを感じるのです。

そんなこんなで、
舞台・映画それぞれの良さを実感できた一日でした。
あー、幸せだ・・・・。

そしてもう一つ朗報。
去年、私も2回観に行った「CHICAGO」の来日公演が、
また8月にくるそうです。
再来日、ということは結構評判が良かったのでしょうね。
私もすっごい面白かった舞台なので、
是非また観に行きたいと思っています。

舞台のチケットというのは決して安いものではありませんが、
それでも「これなら安い」と思えてしまうくらいの、
心の財産を得られます。
映画でもなんでもそうですけどね。

あまり観ない人も、是非たまには
足を運んでみてほしいなあと思ったのでした(^-^)/

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