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2004/10/03

「モンスター」に戦慄

シャーリーズ・セロンがアカデミー主演女優賞をとった作品。
体重を増やし、特殊メイクで別人を演じています。
その鬼気迫る演技は、まさに「この人以外にない」と言えるものでした。
そしてまた、相手役のクリスティーナ・リッチも素晴らしかった。
見ごたえのある1作です。
ただ、かなり正視するのがつらい場面も多いので、苦手な人はご遠慮を。

内容は、実在の連続殺人犯の人生に迫った物。
なぜ彼女が、そういった人生を送るはめになってしまったのか。
この映画の企画が始まったときにはこの彼女(アイリーン)は生きていましたが、
今はもう、この世にいません。
2002年に死刑になりました。

私はこういったものを見て、すぐに犯罪者に同情できる人間ではありません。
自分だけが不幸だと思うな、不幸な人間はいくらでもいる。
甘えるな。
みんな、それをどうにか乗り越えて生きていこうと頑張っているのだから。
そう思う人間です。

けれど、この映画では不覚にも泣いてしまいました。
アイリーンの連続殺人を肯定する涙ではありません。
クリスティーナ演じるセルビーとの関係においてのみ、
私は彼女に心から同情しました。

アイリーンとセルビーの関係は、単なる同性愛というものを超えて
人間の本質を私たちの目の前に突きつけます。
それはとても切なく、やるせない感情でした。

アイリーンのしたことは決して許されることではないけれども、
彼女の境遇を生み出す一因は、間違いなくこの現実の社会の中にあります。
それは誰もが目を向け、考えるべきことではないでしょうか。
特に、男性の方に、私はこの映画を見てもらいたい。

いつでも、何よりも恐ろしい存在は、人間なんですよね。

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