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2004/09/04

「little women」を訳してみよう

新しい職場は3~4時間の残業は普通。
朝から晩まで、英語を読む環境の中、
「これを機に英語をもっと勉強しよう」と思っていたものの、
仕事を離れると「これ以上英語をみたくない」状態に陥ってます(^^ゞ

でも久々にペーパーバックを手にとってみました。
oxfordが出版しているgraded readerの、「little women」。
graded readerとは、語彙を制限して易しく書き直してある本です。
ネイティブでない英語学習者用に、作られています。
うちにはこのシリーズが、いろんなレベルの物を合わせると
100冊以上あるんじゃないでしょうか。
まだ、半分ちょっとしか読んでいませんが(^-^;)

参考サイトはこちら
楽しみながら、英語に抵抗がなくなることうけあいです。


「little women」を手にとった私は、しばしそのタイトルを見つめ、
深い感動に包まれました。


これは言わずと知れた、「若草物語」の原作です。
「little women」が、「若草物語」。
なんて美しいんでしょう。
今の時代だったら、間違いなく「リトル・ウーマン」とか訳されちゃうんじゃないでしょうか。
特に、映画の題名なんかだったりしたら。

念のため、知らない方のために説明しておくと、
この物語は戦争中、出征した父の帰りを待ちながら、
けなげに頑張る四姉妹を描いた物語。
まだまだ幼い娘たちが、父に
「戻ったら、little womenに会えるのを楽しみにしているよ」と言われ、
その期待を裏切らないように頑張っていくのです。

「小さな貴婦人たち」、このくらいが直訳かなあと思います。
「貴婦人」という言葉も、少し考えなければ浮かばないかもしれません。
日本人には「レディ」くらいのほうがなじみがあるでしょうか。
これが日本語かといわれると、微妙な感じですが。


萌え出づる若葉のような、初々しい娘たち。
頑張って頑張って、父の期待に応えようと前向きに生きていく娘たち。
すくすくと育つその姿を表して、「若草物語」。
中身を知らなければ訳せません。

翻訳って、こういうことを言うんじゃないでしょうか。

言葉の構造も文化も違う国においては、
直訳しても伝わらないニュアンスが往々にしてあるものです。
その意をくんで、言葉を置き換えるのではなくて、意味を伝える。
かといって、やりすぎては翻訳の領域を超えてしまう。
だから辞書は参考にはなるけれども、辞書だけでは
言葉の置き換えはできても、翻訳はできません。

難しいですが、やっぱり言葉って面白い。
今の仕事についてから、こういうことを考える機会も増えています。

「指輪物語」の「middle earth」を思い出しました。
「中つ国」という訳語は、もはや芸術の域に達しています。
今だったら、「ミドルアース」でしょう。
いや実際、難しいですもん。
他の訳語をみんなで考えてみるのも面白そうですけどね。

普段読むのは技術文書ばかりですが、
そんな文書でも翻訳者の個性は現れるものです。
今は特に、英語が日本語の一部になっていることも多いですから。

例えば同じ文書でも、
「cover」を「カバーする」とする人、「覆う」とする人。
「type」を「タイプ」とする人、「種類」とする人。
どれも間違いじゃないので統一されていればいいんですが、
やはり私は、日本語の方が好きですね(^-^;)

カタカナだらけの文書は、なかなか読んでいて疲れるものです。

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コメント

へ~ たのしい
そうでしたか
面白くて興味の尽きないお話です

字幕を見ないで映画の会話が分かったら
どんなにいいでしょうと羨ましい限りです

うっちーさんは、いいですね~

尊敬しちゃいます

お仕事にも私生活にも
よいことが起こりますように


投稿: あけみ | 2004/09/05 19:44

>あけみさん

私も字幕なしじゃ観れませんよ~。
耳で聞くのはまた、違った難しさがありますね。
でも私が英語の勉強が昔から好きだったのは、
やはり映画の影響でした。

好きこそものの上手なれとは、うまいこと言ったものです。

今でも、一番勉強したいのは
そういった字幕などに関わる翻訳だったりします。
字数制限などがあってなかなか難しいんですけどね。
仕事にも慣れてきてもう少し落ち着いたら、
どこに目標を絞るか考えようと思います。

あけみさんの勉強日記は、
かなり私に刺激を与えてくれます。
頑張ろう!!って思いますよ。

いつもありがとうございます(^-^)

投稿: うっちー | 2004/09/05 23:11

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